かわいい年下くん





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――



遡ること、1ヶ月前。



自分の掃除の班に割り当てられた掃除場所が、教室で。


運悪くジャンケンに負けたわたしが、遠いゴミ捨て場までゴミを捨てに行ったときのこと。



「――…あの!」



ゴミ捨て場から教室に戻る途中の中庭で、いきなり声をかけられた。



チラッと辺りを見渡し、周りに人がいないことから、自分に発せられた言葉だと認識したわたしは。


声のした方へと向き直ってみると。



「(…わお、リアルエンジェル…!)」



そこには、俳優もビックリな超美形の男の子が立っていた。



こんなキレイな子いたかな、と思い、彼の襟元の校章に目をやると。


緑色のそれが光っていて、わたしの一級下である1年だと発覚。



そりゃ学年違うなら知らなくて当然か、なんて1人で納得した。



と、ひとしきり思いを巡らし、そろそろ自分に声をかけてきた理由が気になり始めた頃。



エンジェルが口を開いた。


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