かわいい年下くん





なんて、少し見すぎてしまったのか、なんだかエンジェルが居心地悪そうにしていて。



どんな表情しても絵になるなんて美形は得だな、なんて思いながら、自分を引き止めた理由を推測してみる。



…1年だから迷子とか?この学校広いし…


というか、それくらいしか理由が思いつかない。



でも、こんなかわいい子が校内で迷子とか、聞いただけてファンのお姉さま方は鼻血もんじゃない?


なんて、どうでもいいことを考えていると。



エンジェルが口を開いた。



「いきなりで驚くと思うんですけど。…付き合ってもらえませんか?」



彼が自分を呼び止めた理由を迷子、と自己解決していたわたしは。


もちろん 付き合う=道案内をする、という解釈になるわけで。



「目的地はどこ?責任を持って送り届けましょう!」



そう言いながら、わたしがドンッと自分の胸に手のひらを当てた瞬間、きょとんとしたエンジェル。



「…え、なんの話?」


「…ん?」



彼の敬語が消えるほど、なにかビックリさせるようなことを言ってしまったのだろうか。





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