かわいい年下くん
「だ、だよね…」
1年といえど、もう入学して数ヶ月は経ってるんだし、そんなことあるわけないか…
自分のときも、さすがに校内で迷子、はなかった気がする。
そう思い直し、春くんにごめん、と言いながら、第2の理由を考えてみる。
…他にわたしを引き止める理由なんてある?
大体、付き合うってどこに…
「…!」
そんなふうに思いを巡らせていると、ふとあることが頭に浮かんだ。
ま、まさか……
恐る恐る下げていた視線を、彼の顔へと移すと。
「…やっとわかりました?」
そこには、少し困ったようにはにかんだ表情の春くんがいた。