陽染

アヌラのお礼に、女の人は微笑みながら通り過ぎて行った。

アヌラは以上にモテるんだ…。

ゴンドリに言われたことがある。

「コルリア、お前はよくあいつといられるな…。俺は虚しくなってきそうで、一緒には居たくないよ…」って。

あの時のゴンドリは、ガラになくしょんぼりしていたのを覚えてる。

「ゴンドリがシマキに話しかけるなんて珍しいよね…」

アヌラの横に並んで言うと、「う~ん…」と呻いただけで、黙り込んでしまった。

そこから先に進んでいくと、すれ違ったり、話しかけてくる人が増えてきた。

さっきも話したけれど、今読んでくれている君達の世界と違って、僕達の世界は人が少ないんだ。

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