陽染
僕の向かいにいるアヌルも、シマキを見つめていた。
動く唇から、シマキの言葉を読み取ろうとしてるみたいだったが、おぼつかない動きじゃ、何も読み取れそうにない。
「死ぬ。もう、シマキは死ぬんだ」
僕の横にいるゴンドリが呟いた。
俯いてて表情は分からなかったが、悔しい時みたいに、歯を食いしばってるのが見えた。
「ねえ、ゴンドリ?人が死ぬ時って、僕達はどういった顔でいればいいんだろう…」
「はあ?」
汚いものを見るような目で、話す僕を睨む。
「初めてなんだ。分からない。…今この時も、この後も…」
ふざけて言ってるんじゃない。