陽染
シマキはそっと天井を見上げて言った。
「死ぬ時ぐらい、太陽を拝ませて貰いたいものだな…」
その言葉は、シマキらしくなかった。
叱り口調で、眉間に皺を何本も寄せて話すシマキの姿は、そこになかった。
「太陽の話聞かせて?」
ぼくは、いつもより弱々しいシマキに、甘えるように言った。
「…よかろう。…太陽ってのはな―…」
シマキが穏やかに語り始めた途端、上世界の奴らが下りてきた。
体が強張る。
シマキの後ろの方から、目が開けなくなるほどの光が寄ってくる。
シマキは振り返らずにいる。