陽染

この四人の誰かだって思いながら、僕は覚悟を決めて目を強く瞑った。

アヌルや親父、ゴンドリやシマキに別れを告げる。

    さようなら    

ふと、瞼の裏で輝いていた光が消えた。

動く人の気配はあったが、僕の腕は引っ張られていない。

僕じゃないなら誰だ?

慣れない光を見たせいで、目に痛みが走る。

「……あ」

低い声。

重く分厚い声の主は、ゴンドリだ。

まさかっっっ!!!

< 20 / 23 >

この作品をシェア

pagetop