陽染
まだ見ぬ太陽
シマキが座っていた場所には誰も居らず、僕とアヌラとゴンドリが、いない彼を囲って座っている。
僕が見たときにはもう、ゴンドリは、消えたシマキを見つめていた。
僕の少し後にアヌラが目を開いて、声にならない悲鳴をあげた。
冷静沈着とも言える、ゴンドリの深い顔つきとは正反対なアヌラの驚く顔。
目を見開き、体を強張らせ、ただ一点を見つめるアヌラの姿は、酷く痛々しかった。
目の前にいたはずのシマキ。
いつもより穏やかな表情だったが、それ以外はいつもどうりだった。
時間が経つうちに、何故いなくなったのかが理解できてきた。
連れて行かれたんだ。