陽染
シマキはそれを“必要”と言う。
サルファの母親もその一人だ。
何故かなんてかんがえたことはない。
分かんないんだもん。
「シマキに聞きに行こうか?」
「嫌だよ、何言ってるか分かんないんだもん…」
シマキはこの下世界が出来る前からいる。
物の数え方、時の数え方、色の種類や物の名前とか、沢山教えてくれた。
僕もアヌラも教わるのは凄く楽しかったけれど、一番面白くてワクワクしたのは、シマキが上世界にいた時の話だった。
どんな色なのかは知らないけれど、黄土色の地面が広がり、車という人が乗って走る機械まであったらしい。