陽染

洋服という身に着けるもの、靴と呼ばれる足先に着けるもの、大きな四角い建物をビルと呼んで、そのビルは太陽と並ぶほど高いらしい。

ゴンドリが言うには、太陽と並んで見えたのは下から見上げたからであって、地面は丸くて…ん?

難しいから、ゴンドリの話に移った時に話すことにするよ。

とにかく、シマキは“生きていくうえで大切なこと”と“上世界のこと”を教えてくれていた。

でも、シマキと会う度に、彼の顔や手や足の皺は深く刻まれていって、目の光は消えていき、発する言葉は次第に聞き取れなくなってしまっている。

シマキのことは好きだったけれど、僕より年上のアヌラの方が、好きという気持ちは大きくて強いみたいに思える。

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