…………すき。


「白川くん!!!そこに正座しなさい!」


今のうちにお説教しておこうと思って私が言ったんだけど、


『……………………みやび……が、いい。』



うん、この人意味わからん☆


ずーっと眠そうだし、お腹に寄りかかってくるし、今度は雅ってよんでほしい…ですと?!


ほぅ……………




…………………………………なんか可愛いな。


いやいやいや!白川く……雅のペースに乗せられるな、自分!!


それから無理やり正座させた雅に仔犬のような目で見つめられながらも、なんとかお説教をした。


「もうお腹に寄りかからない?」

私が聞くと、


『………………………♪』


なぜか、嬉しそうな顔をして雅がふにゃぁっと笑った。


う゛………………。


かわい……………くない!

ここで可愛いと思っちゃったら負けだよね!!


そう思いながら雅を見ると、

ん?という顔で首をかしげてきた。


あーもう!!


「かわいいなっ!!!」

言っちゃったぜ。



いや、雅が悪いんだよ!


「あんたは仔犬か!!」



『………………仔犬………すき。』

照れた顔で雅がつぶやいた。


きゅぅぅぅぅん!


こ、これ以上雅と一緒にいると、心臓がもたないッ!!!


「☆★°√@Å∽♭&*♪#$%!☆″!!!!」


自分でもなんと言っているのか分からないような奇声を発し、教室の扉へ走り出した。


…………と、その時。


ガラッーーー


『………はぁ。あれ、美優?奇声発しないでよ。』

さらちゃんが、呆れ顔で教室に入ってきた。



「だって!みや、みやび!眠くて!!ぽっこりお腹に!仔犬が!!」



『美優。なに言ってるのか全く分からない。』


さらちゃんが失笑している。




なんとかこれまでのことを話して、



「それで、やっと離れてくれたの!」

とさらちゃんに言うと、


『え、でも足下になんかいるけど。』

さらちゃんが言った。



「!!!!!!!」


もう、びっくりしすぎて声もでなくて。


ーーそう、雅が、私の足下で上目遣いに私を見ていたのだった………。

< 6 / 59 >

この作品をシェア

pagetop