花壇葬

もらってきたばかりのころ、小太郎は毎晩鳴いた。もといた牧場が恋しいのだと鳴いているようだった。これには胸が痛んだ。抱いてやると安心するのか、大人しくなるので、小太郎が眠ってしまうまで家族で交代に抱いた。
その影響か、小太郎は、鳴かなくなってからも、人間のそばで眠るようになった。特に父の枕元が気に入っているようだった。父も、小太郎がいると、冬場も冷えないのだと喜んでいた。