情熱効果あり
健くんは蓮にあっさり断られて、苦笑いしていた。


「まいちゃん、さとしくんといつお泊まりに来るの?」


「んー、まだ決まってないよ」


「早く決めて、早く来てね!」


蓮は私の手を握ってブンブン振る。


「え?2人はいつのまに、そういう仲になったんですか?」


「ちょっと、勘違いしないでね。蓮が哲志先輩を気に入ってるから行くだけだし、哲志先輩は蓮の部屋に泊まるんだよ。ね、蓮?」


「うん、そうだよー。僕の部屋で寝るんだよ」


目を見開いて驚いていた健くんは、何だかがっかりした表情になった。


「そうなんだ、とうとうそういう仲になったのかと嬉しくなったのに、残念だなー」


とうとうって…そんな前触れも何もないはずなのに…それに健くんが嬉しくなる意味だって、分からない。

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