情熱効果あり
「残念と言われても何もないからね」


「ねえねえ、さとしくんはまだ帰ってこないの?」


蓮がまた私の手をブンブン振る。哲志先輩に会いたくて仕方がないようだ。


「そうだねー、あと30分は帰ってこないかなー」


「もういいよ…つまんないから、帰る!絶対泊まりに来てよ。さとしくんにも言っておいてね」


蓮は拗ねてしまった。本当に哲志先輩が好きなんだね。


「ごめんな、蓮…今度は哲志先輩がいる時に来てね」


なぜか申し訳なさそうに健くんが謝って、頭を撫でる。


「蓮。わがままばかり言って、みんなを困らせないのよ。麻衣、今度の土曜日に来ていいわよ。哲志さんの都合を聞いて、連絡ちょうだい」


「まいちゃん、ちゃんとさとしくんに来て!って、言ってね」


蓮は何度も念押しして、帰って行った。




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