情熱効果あり
そして、腕の中からすり抜けた。


一体、今のは何だったの?予想もしない哲志先輩の行動に私は胸を押さえた。

気持ちを落ち着かせよう。こんな意味のないことに動揺してはいけない。


哲志先輩の行動には、意味がないんだから。だって、哲志先輩は好きな人がいるって、言ってた。

だから、私に手を出すはずがない。からかうような人ではないけど…間違えたのかな…。
私の背中が好きな人に似ていたとか?


「ああ、うん…じゃあね。…バイバイ」


蓮との電話を終えて、スマホを差し出す。私は頷いて、受け取った。

何を話したらいいか分からない。とりあえず、用事は済んだから、帰りましょう…。


スマホをしまって、自転車の鍵を出す。


「じゃ、お疲れ様でしたー!」


「フッ、声でかい」

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