情熱効果あり
「僕のお薬、美味しく作ってね。この前のもちゃんと飲めたよ」


蓮は、哲志先輩が調合すると薬が美味しくなると思っている。

子供は不思議で面白い考え方をするものだ。


「分かってる」


愛想のない哲志先輩がなぜ蓮と蘭に好かれるのか分からない。


「ねえ、ケンケンはいないのー?」


犬のような呼び方をされるケンケン…とは、健くんのことだ。2人は健くんにも懐いている。


「今、お昼ご飯を食べに行ってるよ」


健くんは近くにあるカフェの女の子がかわいいからとほぼ毎日、そのカフェで食べている。


「なーんだ。じゃあ、いいや」


用があるわけではないから、居なくても追求することはない。

健くんが聞いたら、きっと寂しがる。

この前、哲志先輩が居なかったら、大騒ぎしていたから。


「はい。出来たよ」


「もう?もっと見ていたい」


見ていたいと言われても他にお客さんはいないから、調合するものはない。

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