情熱効果あり
話を中断させて食べるけど、なぜかあまり美味しく感じられなくなってしまった。

お腹が膨れたのではない…前に座っている訳の分からない男のせいだ。


「ん?食べないの?」


「ん、もういいです」


食べなくなった原因が自分にあるなんて、思っていないのだろう。

私の分まで喜んで、食べていた。


食後に私はバニラアイス、哲志先輩はホットコーヒーを頼む。


「アイス、好きだね。前も食べていたよね?」


「はい、バニラが一番好きです」


「麻衣は見ていて飽きない。だから、興味があるんだ」


中断してしまった話の続きに繋がった。私はチラリと見て、アイスを食べることに専念させた。

また味が分からなくなっては、困る。冷たいアイスが気持ちを落ち着かせるのに役立ってくれている。


「ねえ、体の相性って、大事だと思う?」



< 116 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop