情熱効果あり
私は渡された明細書を見ながら、会計をする。

「お姉ちゃん、1020円だよ」


「はーい。…あ、ちょうどあるわ」


お姉ちゃんからお金を受け取り、キャッシャーにしまう。


「蓮、蘭。帰るわよ」


「えー!もっと哲志くんといたい!」


蓮が哲志先輩の足にしがみつく。どちらかといえば、蘭よりも蓮の方が哲志先輩のことを気に入っている。


「蘭も、一緒がいい」


蘭は、蓮につられて言っている感じだ。

それにしても、哲志先輩のどこに好かれる要素があるのか、どこをどう見てもさっぱり分からない。


「ほら、哲志さんはお仕事してるのだから、邪魔しないのよ」


お姉ちゃんが苦笑しながら、2人を呼ぶ。


「じゃあ、今度遊ぼうよ」


6才児に誘われる哲志先輩って…。


「プッ!」


「笑うとこじゃないと思うけど…」


思わず吹き出す私に不機嫌な顔を見せる。
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