情熱効果あり
カランコロン


「夏川さん、いらっしゃいませ!」


夏川…。


「高見さんも来てますよ」


日菜子ちゃんがわざわざ私がいることを伝える。


「え?ああ…来てたんだ…」


「はい…」


哲志先輩は隣りを1つ開けて、座る。


「何にしますか?」


「ビーフシチュー」


「かしこまりましたー」


哲志先輩もビーフシチュー目当てか…それともまさか、日菜子ちゃん目当て?


哲志先輩が付き合っていた女性を何人か見たことがある。

落ち着いた綺麗な感じの人ばかりだったから、もし日菜子ちゃん目当てなら、意外だ。


どっちなんだろう。ものすごく気になってきた。

気になったら、聞かずにいられないのが私の性格だ。


「先輩…」


「ん?」


入り口近くにある雑誌を手に取って、戻ってきた哲志先輩に恐る恐る話し掛ける。


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