情熱効果あり
手を握ってきた哲志先輩に照れてしまって、体は熱を帯びていた。

寒くても、顔を冷やすにはちょうどよかったけど、数分では、簡単に冷えなかった。


「どうぞ」


「おじゃまします…」


2回目の訪問でも緊張する。ゆっくりと足を踏み入れる。


「適当にテレビでも見たりして、待っていて。すぐに作るから」


「あたしも手伝いますよ」


「本当?じゃあ、サラダを作って」


またサラダ担当…いつになったら、メイン担当に昇格出来るのかな?


私がレタスをちぎっている横でリズミカルに玉ねぎを刻む音が聞こえる。

悔しいけど、私よりもずっと早いし、きれいだ。


冷凍庫からご飯を出していた。冷凍ご飯が常備されているなんて、本当に料理が出来る人だ。
ご飯を電子レンジで解凍させて、具の入っているフライパンに入れていた。

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