情熱効果あり
「うわー、美味しそう!とろとろたまご!すごいです!」


哲志先輩が作ってくれたのは、オムライス。私の目にはきれいな黄色のオムライスが輝いて見えた。


「これもバイトしてた時に教えてもらった」


「へー、こういう後々役に立つバイトを選んだのは正解ですね!あたしも料理関係のバイトをすればよかったかも」


学生時代に私がやったバイトは塾の講師と本屋の店員だ。それなりに楽しかったバイトだったけど、カフェやレストランでも働いてみたかったな。


「麻衣は本屋でバイトしてたよな?」


「よくご存じで」


「俺、よく買いに行ってたはずだけど」


「そうでしたっけ?」


あまり…というか、全然哲志先輩が来た記憶がない。


「まあ、話し掛けたりはしてないけど」


そこで話をしてないということは、ただ見られていたということ?
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