情熱効果あり
「哲志先輩がここに来る理由は何ですか?」


「は?ビーフシチューがうまいから食べに来たけど?」


ビーフシチューが理由と聞いて、もやもやしていた気持ちがすっきりと晴れた。


「私と同じですね。私もここのビーフシチューが好きなんです」


「ふーん…」


全く興味を持たない返事。せっかく晴れたのに、またもやがかかる。


「もしかして、健くんと同じ理由かと思いましたよ」


もやもやするくらいなら、話すのをやめればいいのに…私はなぜかまだ話している。


「あり得ないよ。若い女に興味はない」


きっぱりと言い切って、持ってきた雑誌を捲る。


読書の邪魔をするなと言う態度かな…。会話は呆気なく終了する。

若い女…哲志先輩だって、まだ若いけど、20代前半の日菜子ちゃんは更に若い。


多分、哲志先輩が言う若い女に私は含まれないんだろうな。

若くない女…嫌な言葉だ。
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