情熱効果あり
哲志先輩を待っている間、いつも見ているドラマがやっていたことを思い出した。

15分過ぎてしまったけど、テレビのスイッチを入れた。


「へー、それいつも見てるの?」


「はい。面白いんですよ」


ほぼ1話完結の探偵ドラマで、かなり個性的なキャラの主人公が面白い。


「その俳優、好き?」


「そうですね。かっこいいし、結構好きです」


タオルで髪の毛を拭く哲志先輩が、隣に座ってきた。2人掛けのソファーは密着度が高い。お互いの肩が触れる。


「へー。麻衣はイケメン好き?」


「そうでもないですけど、かっこいい俳優さんは好きですよ。…あの、その手は何でしょう?」


哲志先輩はこっちを向いて、私の髪を撫でるように触ってきた。


「ん?なんとなく触りたくなって。いけない?」


「いけないというわけではないけど」
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