情熱効果あり
私を求めているのは分かるけど、哲志先輩には好きな人がいるはずなのが、心の中で引っ掛かっていた。

好きな人の身代わりになるつもりはない。


「ああ、好きな人ね。知りたい?」


首を縦に振った。


「麻衣だよ」


「嘘です」


「何で嘘だと思うの?」


「だって…ずっと好きみたいだから」


哲志先輩が私に後輩としてではなく、関わるようになったのはこの何ヶ月かの間だ。


「ずっと好きなんだけど」


「ずっとって、どのくらいですか?」


「疑い深いね。そうだな、麻衣が緑町薬局に入ってからだよ」


「嘘です。哲志先輩、付き合っている人がいたじゃないですか?」


一年くらい前に彼女がいたことは知っている。それなのに、ずっと好きだというのは、おかしい。


「麻衣が他のヤツと付き合っていたから、俺も他の女と付き合っていた」


「え?意味が分からないです」



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