情熱効果あり
哲志先輩の熱い舌が私の口内温度をどんどん上昇させる。

それと同時に体の温度も上昇する。体全体が熱くなっていく。拒否はしなかったけど、積極的に受け入れる姿勢にもなっていない。

体も心も混乱する。


「はあ…」


「はあ」


やっと離れて、少しでも冷たい空気を求める。熱くなった体を冷やしたい。


「はあ。突然どうしたんですか?」


「情熱を感じてもらうには、濃厚なキスが手っ取り早いかと思ってね」


確かに濃厚なキスは情熱的だった。

だけど、何か方向性が違う気がする。


「こういう方法はずるくないですか?」


「麻衣を手に入れるためなら、麻衣が求めることは何でもしたいから」


そんなに私が欲しいなんて…思っている以上に哲志先輩の想いは熱いだろうか?

冷静だと思っていたが、間違っていたかもしれない。熱い想いにどう応えたらいいのか分からなくて、戸惑うばかり。


「麻衣も、俺を求めて…」
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