情熱効果あり
「お待たせしましたー。あれ?高見さん、顔が暗いですよ。どうされました?」


ビーフシチューランチを私と哲志先輩に置いた置いた日菜子ちゃんが、俯き加減だった私の顔を覗き込む。


「何でもないよ。日菜子ちゃんは若いなーと思ってね」


「ええ?高見さんだって、若いですよー」


自分よりも若い人に若いと言われても、素直に喜ぶのは難しい。

嫌みなんてないのは、分かるのだけど。


「うんうん、麻衣ちゃんはまだ若い。人生これからだよ。悩みがあるなら、俺に言いなさい。いつでも相談に乗るから」


平日の2時頃になるとお客さんが減るので、マスターも表に出て、会話する余裕が出てくるみたいで、話をすることも多い。

周りを見渡せば、いつの間にか客は哲志先輩と私だけだった。


「フフッ。そうですよね、これからですよね。特に悩んでいることはないけど、何かあったら、相談しますね」
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