情熱効果あり
私は固まってしまった。

求める?何で?どうして?どうやって?


「麻衣?どうした?」


多分私はまばたきもしていなかった。哲志先輩が顔の前で手を振る。


「頭がついて行かなくて…」


「頭で考えないで、心で感じて」


「え?心で感じるんですか?え?えっ?」


私はかなり混乱状態だ。何が何だか分からない。


「麻衣…落ち着いて」


「やっぱり哲志先輩は冷静ですよ。あたしなんて、今がどんな状況なのかさっぱり分からなくて、困っているのに」


「分かった。分かるようにしてあげるよ」


「え…」


またしても、唇が重なる。

今度はソフトな感じで、柔らかい唇が気持ち良いと感じてしまった。


そうか…こういう感じが心で感じることなのかもしれない。

軽く何度か触れ合って、重なったままで止まる。閉じていた目をゆっくり開ける。

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