情熱効果あり
近すぎて、視界がぼやける。重なった状態で、見てもよく分からないけど、確かに感じるのは哲志先輩の体温。

私よりも熱くなっているようだ。


これが哲志先輩の情熱だというなら、情熱なんだろうと思う。


心で感じる。

うん、悪くない。

むしろ、良いかもしれない。キスが気持ち良い。


唇が腫れるくらいまで触れていても良いと感じる。心と体が麻痺していく。


頭で考えると冷静になれると思うのに、拒否出来ると思うのに…

思考回路は停止中だ。


私はだらんと下ろしていた両腕を哲志先輩の背中に回した。

哲志先輩の鼓動を感じたくなった。私の鼓動を伝えたくなった。


これがきっと求めるということ。


「麻衣…好きだよ」


優しい声で囁かれる。

哲志先輩の声って、こんなに心地良かったかな。
< 181 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop