情熱効果あり

「結婚するなら、好きな男としなよ。本当に結婚したい相手は俺じゃないよな？何で逃げてるんだよ、美咲らしくない」


哲志先輩も美咲先輩のことをよく分かっている。私よりも２人は分かり合えている。やっぱりここから逃げ出したい。


「私だって、臆病になることがあるのよ。…哲志に頼んでも無駄みたいだから、やっぱり１人で育てるわ」


「大丈夫だよ。１人じゃない。２人で育てるんだよ」


「え？哲志、いいの？」


え？哲志先輩は、やっぱり美咲先輩と結婚するの？

美咲先輩の目が潤んできていた。好きな人がいるというのに、哲志先輩のことも好きなんだろうか。


「勘違いするなよ。俺が結婚するのは、麻衣だから」


「ええっ？どういうことなの？」


本当にどういうことなの？



「美咲！…美咲！」