情熱効果あり
「哲志くんも悩みがあったら、いつでも相談にのるよ」


ここのカフェは悩み相談室も兼ねていたっけ?


「自分で解決するので…」


「そうか、そうか。自分で考えることも大事だ。でも、手に負えなくなったら、いつでも聞くからね」


マスターは人の悩みを聞くのが、趣味なのかもしれない。
もしくはそれを生きがいにしているとか?

私が相談を始めると目を輝かせて聞くマスターに少し複雑な思いを感じたことがある。

その時は、何となくだけど、悩みが全然ない人生を送りたいと思ったものだ。


「一応覚えておきます…」


哲志先輩は曖昧な返事をする。しつこいのは嫌なんだろう。
それに、人に悩みを打ち明けるタイプではなさそうだ。



「戻りましたー」


食後のコーヒーを飲みながら、日菜子ちゃんとお喋りを楽しんで、昼休みを終えた。
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