情熱効果あり
さすがホテルのティラミスは味が違う。ほんのりある苦味が上品な味になっている。


「やっと心から笑ってるね。さっきまでここに皺が寄ってたよ」


眉間を指差しされる。


「そうですか?」


「それに悲しそうだった」


美咲先輩ばかり見ていると思っていたのに、ちゃんと私のことも見てくれていた。


「さて、せっかくの土曜日だしゆっくりしようか?」


「え?ゆっくり?」


コーヒーカップの横にポケットから出したカードキーが置かれた。


「ちょうどキャンセルが出たらしいよ。いろいろ話したいから、それ食べ終わったら、部屋に行こう」


予想外の展開だ。思わずどんな下着を着ていたかと考えてしまった。

部屋に行くということは泊まるということ。心の準備は出来てないけど、覚悟は出来た。


「分かりました。行きましょう」
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