情熱効果あり
「好きだよ。ずっと触れたかった。ずっと欲しかった。ずっと麻衣を抱きたかった」


哲志先輩の欲望が溢れて、止まらない。

キスも止まらない。おでこ、まぶた、頬、耳、唇へと何度も触れてくる。


「哲志先輩…」


こんなにも愛を感じたことがない。見つめる瞳が熱い。触れる唇が熱すぎる。

欲しかった愛がここにある。求められて、心が震える。


「麻衣。麻衣…」


深くなっていくキスを受け止める。伝わってくる熱で体がとろけるどころか、とけそうだ。

何度も繰り返されたキスの後、離れたので目を開ける。


このまま最後まで行きそうな勢いだったのに、行為はストップする。


「麻衣の気持ちを教えて。ちゃんと言葉にして。一方的な想いだけでは、抱けない」


真面目な哲志先輩らしい要求だ。自分の欲望だけに走ろうとしない。

私はこの真面目さがつまらないと思っていた。でも、今は違う。
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