情熱効果あり

真面目なのは、つまらなくない。熱い想いがあるからこそ、真面目なんだ。

私の言葉を待つ哲志先輩の瞳は相変わらず熱いままだ。


喜んでもらえる言葉を探していて、なかなか言葉が出て来ない。


「麻衣？嫌なら拒否してもいいよ。無理矢理は望まないから」


真面目なくせに気が短いようだ。ここまで連れてきたくせに拒否してもいいなんて、きっと本心ではない。


「クスッ、哲志先輩。今さらじゃないですか？あたし、ちゃんと自分の意志でここまで来たんですよ。無理矢理じゃないですよ」


「今さらでも、麻衣の言葉が欲しい」


真面目な情熱を感じる。真面目な人間にこんな情熱があるとは、初めて知った。


「好きです。哲志先輩が好きです。あたしも欲しいです。いっぱい触れて…」


まだ言葉を続けるつもりだったのに、唇は塞がれてしまった。


「もう、我慢しない…」