情熱効果あり
それに、睡眠時間が少ない割には、目覚めも良かった。


「昨日のことは…そんなに疲れてないです。今日の方が疲れましたよ」


哲志先輩が突然立ち上がって、目の前に来た。何事かとつい身構える。


「疲れてないなら…満足してくれたという意味に捉えていい?」


「はい?あ…そうですね」


わざわざ聞かれることが恥ずかしすぎて、俯く。


クイッ…


俯くことは許されないのか、両頬に手が置かれて、上を向かされる。


「やっぱり麻衣はかわいいな」


「哲志先輩…恥ずかしい」


また下を向きたくなるけど、それを許してくれないように、哲史先輩の手には力が軽く入る。


「麻衣の声で哲志先輩って、呼ばれるのは好きだけど、2人だけの時とかここ以外では、哲志って、呼んでくれない?なんか先輩を付けられるといつまでもよそよそしい感じするし」

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