情熱効果あり
少し意地悪な表情をしているけど、ずっと私を見ていて、逸らさない目は熱い。


「ち、近いです」


さらに顔を近付けてくる。息がかかりそうな距離になって、ドキドキする心拍数は早くなる。


「ですもいらないはずだよね?麻衣…」


「あ!ん、うん。いらない…ね。ごめん…ね」


動揺して、しどろもどろになる私は自分ではないみたいだ。こんな風になったことはないから、焦りまくる。


「フッ。そんなに怯えなくてもいいのに。意地悪してるつもりはないんだよ。ただ呼んでもらいたいだけ」


「ん、うん。そうだよね」


このままいつまでも帰れないのは困る。小さく深呼吸をする。


「哲志…好きだよ」


「ありがとう。嬉しいおまけ付きだね。麻衣…」


もう確実に息がかかる距離になった。そっと目を閉じる。

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