情熱効果あり
早く帰らないとちゃんこ鍋の好きな具がなくなってしまうかも。でも、まだこの場にいたい。

柔らかくて、温かい唇がゆっくりと触れる。哲志先輩の両手はまだ私の頬を包んだままである。

私は両手を哲志先輩の腰に回す。私の動きに合わせて、哲志先輩の手も動いて、私の後頭部に移った。


離さないという感じに押さえてくる。軽く触れるだけで済ませてもらって、帰ろうと思っていたのに…私も離れがたくなっていた。

ずっと味わっていたい唇だ。困ったことに、離れるタイミングが分からない。


ああ…でも、お腹空いた。


グー


「クスッ。帰ろうか?お腹が我慢出来ないみたいだし」


こんな時にお腹が鳴るなんて…。


「もう…恥ずかしい…」


「どんな麻衣でも、かわいいよ。お腹の音もかわいい」


「やめて。恥ずかしいことばかり言わないでよー」


哲志先輩は恥ずかしがる私が面白いらしい。

< 244 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop