情熱効果あり
「どこに行くんですか?」


「まずは公園」


車を走らせて40分。着いたところは海がある公園。


「え?哲志…せ。あ、それ、何ですか?」


「麻衣、今先輩を付けようとしただろ?それに、ですかはいらないからね」


「あー、ごめんね」


呼び捨てにするのも敬語なしにするのもまだ慣れない。無意識に出てしまう。


「クスッ。無理はしなくてもいいけど。あっちのほうに行こう」


私のバッグ以外の荷物は全部哲志先輩が持っている。

それにしても、あの大きなカバンの中は…


「哲志。その中身って…」


「ん?ああ、タオルとシートとお弁当だよ」


「ええ?本当にお弁当なの?作って…くれたの?」


チラッと弁当箱らしき箱が見えて、まさか…と思っていた。


「お弁当といっても、簡単なサンドイッチだよ。お腹が空いたら、食べようね」


哲志先輩、用意が良すぎだ。
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