情熱効果あり
フガフガしている雅樹先輩と目が合った。


雅樹先輩の動きがピタッと止まる。

雅樹先輩がおとなしくなったのを見て、哲志先輩が手を離す。


「あ…それは秘密だな。うん、秘密だ。ちょっと悪のりしたよ」


おとなしくなった雅樹先輩は、哲志先輩を恐れているのか口を堅くして、今置かれたばかりの生ビールを一気に飲む。

相変わらず豪快な人だ。


「えー、気になるー」


「私も気になります!」


哲志先輩に想い人がいるなんて、初耳だからすごく気になった。


でも、雅樹先輩は話題を変えてしまい、聞き出すことが出来なかった。

話題が変わり、哲志先輩の想い人のことは頭の片隅へと消えていく。


いつもと変わらないたわいのない話で盛り上がり、食べて、飲んで、楽しい夜が過ぎていく。


「あ、もうこんな時間!行かないとダーリンが心配しちゃう」



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