情熱効果あり
哲志先輩の話し方には抑揚がない。クールと言ってしまえば、かっこいいとは思うのだけど、クールというよりもやっぱり普通?

普通という言葉がぴったりくると思う。


そういえば、何で哲志先輩とここにいることになっているのだろう。


「今日は月がきれいだな」


「本当だ!うわー、きれいな三日月ですね~。」


2階の窓際に座っていた。大きな窓からきれいな形の三日月が見えていた。


「クスッ…」


「えっ?今…笑いました?」


微かだけど、笑い声が聞こえた。


「ん、やっぱり元気だなと思ってね」


「うるさかったですか?」


哲志先輩の中では元気イコールうるさいのイメージになっているのではないかと思い、躊躇する。


「うるさくはないよ。かわいく喜ぶよね」


「えっ?」


かわいい?哲志先輩から初めて聞いたワードだ。


「麻衣…顔がおかしくなってるけど…」

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