情熱効果あり
おかしくなったのは、哲志先輩の思考回路では？

そう言いそうになった言葉を飲み込んだ。


「えっと…」


どう返したらいいのか分からない。


「哲志先輩…、酔っていますか？」


そうだ、あれだけたくさん飲んでいて酔ってないわけがない。
　
きっと酔っているせいで、おかしなことを言い出したんだ。


「ん？そうだな…酔っているかな？火照った体なんて言うのもさー、エロく聞こえたし」


火照った体と言ったのが、エロい？やっぱり哲志先輩の思考回路はおかしい。


「そ、そろそろ帰りましょうよ」


私までおかしくなりそうだ。


「何で？」


何で？なんて言う哲志先輩は絶対に普通ではない。


「いいから、帰りましょう！」


「仕方ないなー」


渋々腰を上げた哲志先輩は、その後無言になった。
< 39 / 270 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop