情熱効果あり
50m先にあるバス停へ走っていて、ちょうど来たバスに飛び乗る姿が見えた。


あの人も寝坊したのかな?

それにしても間に合ったようで、何よりだ。乗れなかったら、恨まれたかもしれない。


「わっ!行かないと!」


走っていくバスをぼんやりと見ている場合じゃない。

私は急いで右に曲がる。緑町薬局はすぐそこだった。


「おはようございます!はあ、はあ…」


ギリギリセーフといったところで、私以外は全員揃っていた。


「麻衣ちゃん、おはよう。もう朝礼始めるから、後で着替えてね」


「すいません…」


健くんの隣りに小さくなって、並んだ。

いつもと変わらない連絡事項が終わり、更衣室へ行く。


汗かいてる…。急いでした化粧は落ちかけだ。情けないな。


「開けまーす」


待合室の方から聞こえた声で9時になったことを知り、さらに急ぐ。


「寝坊?」

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