情熱効果あり
「はあ…」


「どうしたんですか?」


「お腹空いた…」


昼休みまであと30分。寝坊したから、もちろん朝ご飯抜きだ。


「アハハッ!俺、チョコ持っているから、あげますよ」


「ほんと?」


健くんが救世主に見えた。


「おい、仕事中だぞ。まだお客さんもいる」


「うっ…」


チョコを受け取ろうとしていたところを哲志先輩に見つかり、手を引っ込める。


「いいじゃないですか?麻衣さんが倒れたら困りますし」


「一食抜いたくらいで倒れないだろ…」


「でも!」


「健くん、いいよ。あと少しだから、我慢するよ。寝坊したあたしが悪いし。ごめんね、ありがとう」


私のせいで健くんまでが怒られてしまう。自分の寝坊で人に迷惑は掛けれない。


「哲志先輩、真面目過ぎですね」


「普通だろ?」


真面目な哲志先輩は普通なんだ。私と健くんは、異常?不良?
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