情熱効果あり
「おはようございます。お薬手帳をお持ちでしたら、一緒にお預かりします」


隣りで、診察を終えた患者さんが次々とやってくる。局長を除く4人で、順番に対応していく。


「中村さまー。お待たせしました」


一番最初に対応した健くんが調剤した薬と薬の説明書、袋を持って、窓口に行く。


私は、自分が受けた処方箋を持って、パソコンに向かい、名前を入力して検索をする。


アレルギーの有無や副作用の有無がないことを確認してから、調剤へと移る。


「斉藤さま、お待たせしました」


私が窓口に立つと、男の子を抱っこしたお母さんが目の前にやってくる。


「こちらの粉薬を朝、昼、晩の毎食後に一袋、お飲みください。3日分、出ております」


「あの…粉薬はうまく飲ませられなくて、出来ればシロップに…」


薬が嫌いな子供は多い。飲ませるのに苦労する親も多く、甘いシロップに変えて欲しいと言われることもよくある。


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