情熱効果あり
「あれ?お母さんはどこ?」


お姉ちゃんの姿が見えない。子供2人で来るはずはないのだけど。


「お母さんは今ね、何かをおろしているよ。お土産だって」


蓮の持っている処方箋を受け取る。そこの小児科のではなくて、少し離れたところにある耳鼻科のだった。


「俺がやるよ」


「あ…ありがとうございます」


持った処方箋はすぐに哲志先輩の手に渡った。


「あ、さとしくんだ!」


蓮と蘭はなぜか哲志先輩がお気に入りで、ここに来るたびにまとわりついている。


「中、入ってもいいー?」


「クスッ。いいわよ、どうぞ」


睦美さんが待合室から通じるドアを開けて、2人を入れた。

その時、入り口のドアが開く。


「こんにちはー」


「あ、お姉ちゃん」


「これ、皆さんで食べてね。恭介、お勧めのどら焼きなの」


「わあ、ありがとう」


渡されたどら焼きが入ってる箱を受け取って、受付け台に置く。
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