情熱効果あり
蓮と蘭は、「ご飯だー!」と喜びながら、先に降りて行った。


「ずっと本を読んでいたんですか?」


本を本棚に戻す哲志先輩の隣に立つ。


「蘭が読んでっていうからね。蓮は電車で遊ぼうって、言ってたんだけど、ずっと本を読んでいてそっちでは遊べなかった」


「でも、よじ登る蓮は楽しそうでしたよ」


「ご飯食べたら、今度は電車で遊ぶよ」


「やっぱり哲志先輩、優しいですねー」


公平に接しようとするところが哲志先輩らしい気遣いだと思う。

いい加減にしないから、本当に真面目だ。


「別に優しくないよ。子供と遊ぶことなんて、誰でもする普通なことだろ?」


優しいと言われるといつも否定する哲志先輩はへそ曲がりなんだろうか?照れ隠しに否定しているようには見えないし。


「2人とも早く座って!揃わないと食べれないのよ」


「え?待っていてくれたの?」
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