地の棺(完)
「しっ」
初ちゃんはわたしの口を右手で覆う。
今まで見たことがないくらい真剣な顔で。
わたしの耳元に顔を近づけ、
「変な音がする」
と小さな声で言った。
変な音?
耳を澄ますと、かすかにだがウィーーンという機械音のようなものが聞こえた。
驚き、初ちゃんを見ると、彼は階段の前の部屋を指す。
戸が閉まっているため中の様子は見えないが、確かにこの部屋から聞こえていた。
またなにかが?
そう思うと、一気に体が恐怖で満たされる。
口を覆う初ちゃんの手を、両手で握りしめた。
しかし、初ちゃんはそれを払いのけると、障子戸に近づき、躊躇う様子もなく一気に開けた。
思わず目を閉じ、顔を背ける。
「……なに? これ」
呆然とした、初ちゃんの声。
恐る恐る目を開けると、そこには、畳の上を動き回る白い飛行機のおもちゃがあった。
「何? あれ……」
呆然とする初ちゃんの隣で、わたしは嫌な予感に包まれる。
これは、わたしに対するメッセージなんじゃないか、そう思ったから。
ただの思い過ごしならいい。
でも、狂ったように円をかくそのおもちゃを見ていると、体の思い過ごしとは思えない恐怖感に包まれた。
その時。
それまで呆然としていた初ちゃんが、おもちゃを見て指した。
「あれ、なに?」
初ちゃんはわたしの口を右手で覆う。
今まで見たことがないくらい真剣な顔で。
わたしの耳元に顔を近づけ、
「変な音がする」
と小さな声で言った。
変な音?
耳を澄ますと、かすかにだがウィーーンという機械音のようなものが聞こえた。
驚き、初ちゃんを見ると、彼は階段の前の部屋を指す。
戸が閉まっているため中の様子は見えないが、確かにこの部屋から聞こえていた。
またなにかが?
そう思うと、一気に体が恐怖で満たされる。
口を覆う初ちゃんの手を、両手で握りしめた。
しかし、初ちゃんはそれを払いのけると、障子戸に近づき、躊躇う様子もなく一気に開けた。
思わず目を閉じ、顔を背ける。
「……なに? これ」
呆然とした、初ちゃんの声。
恐る恐る目を開けると、そこには、畳の上を動き回る白い飛行機のおもちゃがあった。
「何? あれ……」
呆然とする初ちゃんの隣で、わたしは嫌な予感に包まれる。
これは、わたしに対するメッセージなんじゃないか、そう思ったから。
ただの思い過ごしならいい。
でも、狂ったように円をかくそのおもちゃを見ていると、体の思い過ごしとは思えない恐怖感に包まれた。
その時。
それまで呆然としていた初ちゃんが、おもちゃを見て指した。
「あれ、なに?」