地の棺(完)
おもちゃとはいえ、飛行機を見るのは嫌。
顔を背けていたわたしに気付き、初ちゃんは大きなため息をついた。
「悪いけど、見て」
不機嫌全開な口調でそういうと、わたしの顔を両手で掴み、無理矢理部屋の方に向ける。
嫌々ながら顔を上げると、飛行機の翼部分に、銀色のなにかがついているのが見えた。
「……鍵?」
自分の胸元で揺れている小さな鍵。
それととても似ているような気がする
確かめようと、わたしは部屋の中に足を踏み入れた。
「あ、おい。迂闊に近寄るなって……」
初ちゃんがわたしを止めようとした、その時。
足の裏の感覚が消失した。
踏んだ畳が折れ、その下にあった大きな穴に体が落ちていく。
えっ? っと驚く間もないほど突然のことで、避けられない。
「蜜花っ」
初ちゃんが手を伸ばし、その手を掴もうとして、勢いよく引っ張ってしまった。
「ちょっ」
初ちゃんはバランスを崩し、一緒に落ちる。
そして……
わたし達は穴の中に落ちた。
顔を背けていたわたしに気付き、初ちゃんは大きなため息をついた。
「悪いけど、見て」
不機嫌全開な口調でそういうと、わたしの顔を両手で掴み、無理矢理部屋の方に向ける。
嫌々ながら顔を上げると、飛行機の翼部分に、銀色のなにかがついているのが見えた。
「……鍵?」
自分の胸元で揺れている小さな鍵。
それととても似ているような気がする
確かめようと、わたしは部屋の中に足を踏み入れた。
「あ、おい。迂闊に近寄るなって……」
初ちゃんがわたしを止めようとした、その時。
足の裏の感覚が消失した。
踏んだ畳が折れ、その下にあった大きな穴に体が落ちていく。
えっ? っと驚く間もないほど突然のことで、避けられない。
「蜜花っ」
初ちゃんが手を伸ばし、その手を掴もうとして、勢いよく引っ張ってしまった。
「ちょっ」
初ちゃんはバランスを崩し、一緒に落ちる。
そして……
わたし達は穴の中に落ちた。