地の棺(完)
単純にこの島が好きだったから?

恋人がいたから?


……だめ。


全然わからない。

でも、多分、この鍵が答えを握っている気がする。

そのままの意味で、すべての鍵なのかもしれない。

そしてそれは、この不可解な殺人にも関わりがあるんじゃないかと思った。


考えに集中しすぎてしまい、突如響いたノックの音にびくっと体が飛び上がる。


「蜜花ちゃん、ちょっといいかな?」


快さんの声だ。

足を庇いながらドアに近づく。

鍵を開け、扉を開けると、そこには青いシャツにベージュのズボンという服装に着替えた快さんが疲れた笑顔を浮かべて立っていた。


「寝てた? 話、したいんだけど大丈夫?」


そういって快さんはすぐ隣の部屋を指さす。

そこは雪君が空き室だといっていた部屋だ。

初君と多恵さんを見ると、二人はまだ起きそうにない。


「大丈夫です」


わたしは頷くと、テーブルの上に置いたままになっていた部屋の鍵を手にして廊下に出た。

しっかりと外から鍵をかけ、快さんと隣の部屋に移動する。

部屋の鍵はかかっていたが、快さんが午前中に多恵さんと取ってきたという屋敷のマスターキーで開けた。

部屋の中はずっとしめきられていたせいか、埃っぽく濁った空気によりむっとしていた。

部屋の家具は、右端に寝具のないベッドがあるだけ。

絨毯もカーテンもなかった。

快さんはマットレスの上を手で軽く払い、わたしに進めてくれる。


「ありがとうございます」


ベッドに座ると、ギシッと軋んだ。
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