素直になれない者同士の恋
「ふふ、いずみなんかよりずっと大人だよね。ほんとどっちが兄なんだか。」
「……うるせ。」
そう言いながら、私を軽く睨むいずみ。
赤い顔のままだから全く効果ないけどね。
それにしても、この双子も本当に素直じゃない。
でも、ほんとは心のどこかでは大切に感じてるんじゃないかなと今回のことで思った。
そういずみに言ったら怒られそうだから口には出さないけれど。
……ていうか、
今さらだけど、いずみと2人っきりじゃん!
なんだか急に意識してしまった私は思わずベッドの隅に移動する。
夏生のときには考えなしだったけどベッドはやばいよね。
「ん、何で離れるんだよ。」
急に距離をとられたことを不満に思ったのか私に近づこうとするいずみ。
私は、気が気じゃない。