素直になれない者同士の恋
ていうか、何でこんなに可愛くないんだ私。
今日はバレンタインなんだから頑張るって決めたんでしょ。
せっかく夏生も後押ししてくれたんだから。
そう思い、私は顔を上げた。
「あのさ……。」
私がいずみの目を見ると、いづみも見つめ返してきた。
その瞳がなんだか、熱っぽく見えてドキドキしてしまう。
「いつも、言葉悪くてごめんね。本当は好きの裏返しっていうか、なんというか……」
私が口ごもると、いずみはふはっと吹き出すかのように笑った。
「なんだよ急に、気持ち悪ぃな。」
「はあ? 何よ!人が頑張って伝えてるっていうのに」
「……嘘、オレもお前が好き。」
と、不意打ちみたく甘い笑みを見せながらそんなことを言うからきゅんっとしてしまった。
囁くな、バカ。